【構造で解説】ケトプロフェンで光線過敏症が起こる理由

hachi
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この前筋肉痛でモーラス®テープ(ケトプロフェン)が処方されて、薬剤師さんから
- 貼付部位を日光に当てないように気を付けて下さい。
- 湿布を剥がした後も1か月は紫外線を避けて下さい。
って説明があったんだけど、これはどうして?

これは、ケトプロフェンが紫外線と反応して光線過敏症を起こすことがあるからだね!
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Contents
光線過敏症とは
光線過敏症とケトプロフェン

光線過敏症が起こるメカニズムは図の通り!


活性化したケトプロフェンがタンパク質と反応しちゃうんだね。
紫外線を避けた方が良い理由、納得です。
光線過敏症を起こす薬剤と構造

ケトプロフェンと同じように光線過敏症を起こし易い薬剤を見ていこう!
- 共鳴構造を取りやすい。
- 共役構造が長い。
(二重結合と単結合の繰り返しが多い)
が構造上のポイントなので意識してチェックしてね!

はーい!
NSAIDs
- ケトプロフェン
- ジクロフェナク
- ピロキシカム


ジクロフェナクはケトプロフェンの部分構造とめっちゃ似てるね!

そう!
ジクロフェナクが光線過敏症を起こし易いのは分かりやすいよね!
ピロキシカムは構造が複雑だけど、
- 共鳴構造を取りやすい。
- 共役構造が長い。
(二重結合と単結合の繰り返しが多い)
という特徴を満たしているから光線過敏症を起こし易いって解釈でOKだよ!
抗生物質
- ニューキノロン系(ロメフロキサシン)
- テトラサイクリン系(ミノサイクリン)


え、抗生物質も光線過敏症起こすの?

意外でしょ!
でも、いずれの構造も
- 共鳴構造を取りやすい。
- 共役構造が長い。
(二重結合と単結合の繰り返しが多い)
を満たしているから光線過敏症を起こし易いんだ!

なるほど!
段々構造の見方が分かってきたぞ!
利尿薬
- フロセミド(ループ利尿薬)
- ヒドロクロロチアジド(チアジド系利尿薬)


見るからに光線過敏症起こしそう(笑)

でしょ!
いかにも共鳴しそうだな~
って思ったら疑ってかかろう!
脂質異常症治療薬
- フェノフィブラート(フィブラート)
- アトルバスタチン(スタチン)


フェノフィブラートの部分構造、ケトプロフェンと同じだ!

よく気付いたね!
フェノフィブラートとケトプロフェンはどちらもベンゾフェノン構造を持つので光線過敏症を起こし易いんだ。
ピルフェニドン

ピルフェニドンって馴染みがないからよく分かんない。

図にまとめたから見直してみて!


光線過敏症発症率51.7%…?
え、やばいじゃん。

そう、約2人に1人が光線過敏症のリスクあるんだよ。
実際、ピルフェニドン服用時の注意点として紫外線ケアについて記載があるよ!
光線過敏症関連問題
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