【作用機序】NSAIDsはなぜCOXを阻害できるのか?


確かにNSAIDsがCOXを阻害するのは知ってるけど、
「なぜ」って言われると分かんないなー。

秘密はアラキドン酸にあるんだよ!

炎症の出発物質「アラキドン酸」

アラキドン酸が炎症の出発物質なんだけど知ってる?

アラキドン酸は知ってる!
でも炎症の出発物質ってことは知らなかった。

図を作ったから確認してみて!


ほんとだ!
アラキドン酸を筆頭に色んな物質ができてる。

そう!
アラキドン酸を出発物質として色んな物質が生成されて炎症反応に繋がる。
このような流れをアラキドン酸カスケードというんだ!

アラキドン酸カスケード聞いたことあるよ!
あ!繋がった!
アラキドン酸はどこから現れたのか?

アラキドン酸が炎症のスタートって分かったけど、そもそもアラキドン酸ってどこから作られるの?

良い質問だね!
実は、アラキドン酸は細胞膜のグリセロリン脂質から遊離して生成する物質なんだ。
その時に関与する酵素がホスホリパーゼA2。


そうなんだ!
ホスホリパーゼA2ってなんだか聞きなれないな…

普段聞き慣れないかもしれないけど、ステロイド薬はこのホスホリパーゼA2を阻害することで抗炎症作用を示すんだ。
ステロイドはNSAIDsと違って炎症の元であるアラキドン酸の生成を抑制するから
COXだけを阻害するNSAIDsよりも効果が高いんだよ!

なるほど!納得!
NSAIDsの作用機序

アラキドン酸とPG・TXの構造

じゃあ次はアラキドン酸とPG・TXの構造を比較してみよう!
構造が似てることがイメージできればOK!


どの化合物も
- カルボン酸
- 不飽和結合(二重結合)
を持っていることがポイントだよ!
【本題】NSAIDsがCOXを阻害できる理由


図でも分かる通り、NSAIDsの作用機序はCOXの阻害。
加えて、NSAIDsがなぜCOXを阻害できるのか?
っていう視点がとても大事なんだ。

NSAIDsには何か共通点があるの?

そう!
実はNSAIDsはアラキドン酸に類似した構造をしているんだ。


どのNSAIDsもカルボン酸と二重結合が被ってるね。

その通り!
NSAIDsはアラキドン酸のカルボン酸と二重結合部分を模倣しいてるからCOXを阻害すると言われているんだ!
ぶっちゃけ、NSAIDsがアラキドン酸に類似してるからCOXと相互作用を起こしやすいっていうイメージでOK!
おまけ:アスピリン喘息はなんで起こるの?

唐突だけど、アスピリン喘息ってなんで起こるか分かる?

あ~そう言われると分からないかも。

難しいよね。
簡単に言うと、NSAIDs服用によるロイコトリエン(LT)の過剰産生が原因だと言われているよ!


LTが原因なんだね!
覚えてとこ!

