【薬剤師国家試験】105回問199の解説
hachi
Hachi薬
55歳男性。2型糖尿病。内服薬による血糖のコントロールが不良のため、インスリン導入の目的で教育入院を行い、超速効型インスリンの投与が開始された。
しかし退院後、仕事が多忙のため自己注射が不規則になった。現状の改善が図れないことから、かかりつけ薬剤師が処方医にトレーシングレポートを書き、使用製剤の見直しについて処方提案を行った。
その結果、次回来局時には以下のように変更された処方箋を持参した。
問277
図は、皮下投与後のインスリンアナログの動態を示している。インスリンアナログの動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
1 本製剤中で、インスリン デグルデクは、難水溶性で安定なダイヘキサマーとして存在する。
2 本製剤中で、インスリン アスパルト及びインスリン デグルデクは、アルブミンと結合し安定化されている。
3 本製剤を皮下投与後、インスリン アスパルトのヘキサマーは、皮下組織において速やかにモノマーに解離する。
4 本製剤を皮下投与後、インスリン デグルデクのダイヘキサマーは、皮下組織でマルチヘキサマーを形成した後、徐々にモノマーに解離する。
5 インスリン アスパルトは、循環血中でアルブミンに強く結合し、標的組織に移行する。
答えは「3と4」。
※2つのヘキサマー:6量体×2の状態。
参考:インタビューフォーム
1
⇒難水溶性ではなく可溶性。
2
⇒製剤中ではいずれの薬剤もアルブミンと結合していない。
ただし、インスリン デグルデクは血中でアルブミンと結合する。