【薬剤師国家試験】血液凝固系問題まとめ
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Hachi薬
プラスグレルは生体内の代謝により活性代謝物Cに変換されて効果を発揮するプロドラッグである。以下の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
1 プラスグレルはチエノピリジン系医薬品である。
2 プラスグレルから代謝物Aへの変換にはプロテアーゼの作用が必須である。
3 代謝物Aと代謝物Bとは互変異性体の関係にある。
4 代謝物Bにはジアステレオマーが存在する。
5 活性代謝物Cは血小板の標的タンパク質と共有結合する。
答えは「2」。
1
⇒チエノピリジンは、チオフェン+ピリジンから成る構造を指す。
2
⇒プロテアーゼではなく、エステラーゼである。
プロテアーゼが正しいと仮定すれば、構造中にペプチド結合を含むはずである。
3
⇒ケト-エノール互変異性。
4
⇒代謝物Bには不斉炭素があるため、ジアステレオマーが存在する。
5
⇒活性代謝物Cのチオール基(-SH)が血小板のタンパク質(ADP受容体)と共有結合して、受容体を不可逆的に阻害する。
(共有結合⇒不可逆的に阻害)
また、クロピドグレルやプラスグレルはADP受容体を不可逆的に阻害するため、効果は血小板の寿命分(約7日)持続する。
実際、クロピドグレル、プラスグレルの休薬期間は7日前後となっている。
同系統のチカグレロルはADP受容体を可逆的に阻害するため、持続時間は前述の2剤よりは短くなっており休薬期間は3~5日とされている。